タワマン相続税の増税と期限3年の猶予。どう変わったのか 第一回

今後日本は高齢化によって、相続が大きな課題となります。相続発生件数は、2022年には158万2033人でしたが、前年比で8.9%増加しています。今後は年間160万人を超える死亡者数が見込まれ、相続がますます増えていきます。相続は税の有無に関わらず、どの家庭でも直面する喫緊の課題です。

今年は相続に関する2つの大きなルール変更がありました。新年度を迎えるにあたって2回に分けて振り返っていきたいと思います。

タワマン節税の旨みが無くなった

超高層マンションなどの高層階では時価が高くなり、税務上の評価額との乖離が大きくなるため、税の公平性が損なわれていたため、国税庁は2024年1月1日以降の相続に関してマンション評価の改正を行いました。この改正はタワーマンションだけでなく、マンション全体に適用されます。

具体的な改正内容は国税庁のウェブサイトで解説されており、東京、福岡、広島でのマンション実例も示されています。たとえば、東京都内の43階建てタワーマンションで23階の住戸の場合、従来の方法で相続税評価額を算出すると、相続税評価額は実勢価格の1/3にもなる場合があります。

改正により、相続税評価額が大幅に増加するケースも見られ、例えば東京都内のタワーマンションでは、相続税が42倍にも増税される場合があります。これにより、これまで相続対策としてマンションを購入していた人たちにとっては予想外の負担が生じることがあります。

今回の改正では、実勢価格と評価額の乖離率が1.67倍以上の場合には、評価額に乖離率を掛けて0.6倍する調整が行われます。これは、戸建ての平均乖離率を考慮しているため、戸建てと同様の調整をマンションにも適用することで税の公平性を保つことを目的としています。

この改正によって相続税が増えることで相続税対策の見直しを迫られる世帯が増える可能性があります。

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