板橋区の名所。板橋十景のひとつ、歴史を感じる「板橋」を歩く

板橋区を訪れるなら、ぜひ立ち寄ってほしいのが、区の名前の由来にもなっている「板橋」です。この橋は、板橋十景のひとつにも選ばれており、旧中山道の仲宿付近、石神井川に架かっています。
江戸から数えて最初の宿場町「板橋宿」
この地は、かつての旧中山道(中山道六十九次)で、江戸から数えて最初の宿場町「板橋宿」として栄えた場所。江戸時代、多くの旅人がここを通り、旅の始まりを迎えました。
「板橋」という地名は、鎌倉時代の軍記物語『延慶本 平家物語』に登場します。治承4年(1180年)に源頼朝が武蔵国豊島郡滝野川の「板橋」に布陣したという記録があり、これが地名としての「板橋」の初出とされています。
由来については明確な史料は残っていませんが、石神井川に架けられた木の橋を「板の橋」と呼んでいたことが語源とされ、そこから地域名として定着したと考えられています。
歴史と桜が彩る憩いの場
江戸時代の板橋は、太鼓橋のような木橋で、長さ約16.2m、幅約5.4mと立派な構造でした。何度も架け替えや修復が行われながら、旅人や地域の人々の往来を支えてきました。
春には石神井川沿いに桜の花が咲き誇り、夜間にはライトアップも実施され、幻想的な風景が楽しめます。歴史と自然が調和する、心癒されるスポットです。
アクセス案内
●電車でのアクセス:
・都営三田線「板橋本町駅」A1出口から徒歩約8分
・東武東上線「中板橋駅」北口から徒歩約12分
●バスでのアクセス:
・国際興業バス「仲宿」バス停からすぐ
●車の場合:
近隣にコインパーキングあり(※混雑しやすいので公共交通機関がおすすめ)
周辺のおすすめスポット
◆ 板橋宿不動通り商店街
江戸の面影を感じさせる、昔ながらの商店街。和菓子屋さんや惣菜店、個性的なカフェなどが並び、食べ歩きも楽しいエリアです。
◆ 板橋区立郷土資料館
板橋の歴史や文化に触れられる資料館。中山道や板橋宿についての展示も充実しており、観光前に立ち寄ると理解が深まります。
※入館無料
◆ 滝野川稲荷神社
頼朝が布陣したと伝えられる滝野川周辺にある古社。静かで落ち着いた雰囲気の境内は、隠れた癒しスポット。
◆ 石神井川遊歩道(桜並木)
板橋から下流へと続く石神井川沿いは、春には見事な桜のトンネルになります。のんびり散歩にぴったりです。
おわりに
江戸の玄関口として、多くの人の記憶と歴史を刻んできた「板橋」。今もその趣を残しながら、四季折々の自然や地域の温かさにふれることができます。歴史に思いを馳せながら、ぜひ歩いてみてください。