不動産と負動産、相続したらどうしますか?第二回

土地を見る際にはいくつかポイントがあります。一般的には最寄りの駅がどこで、駅から何分だとか、高速道路や幹線道路から近いとか交通アクセスを考えがちです。たしかに交通の要素も大事なポイントではありますが、相続財産として価値があるかないかは、もう少し不動産自体をよく調査する必要があります。 戸建て住宅などを見るときに最も重視するのが、道路との接道状況です。建築基準法では、建物を建築する際には、「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければ、新たに建物を建築することはできない」とされています。 つまり、この条件を満たしていない家などを相続してしまうと、自分で使う、あるいは賃貸し続ける分にはよいのですが、建て替えることはできません。つまり売却しようにも、買った人が新たに建物を建築することができませんので、売却できない可能性が高いということになります。 道路に2m以上接していても、接している道路が4mの幅員を確保できていない場合、建て替えの際に、前面の道路が幅員で4m確保できるように敷地を後退(セットバック)させて建築する必要があります。つまりセットバック部分だけ土地は実質的には自分のものにはならないということです。 地形(ジガタチ)も重要です。なるべく整形のものがよいです。その理由として、ある程度広い面積になると、売却する際、土地代が高すぎて分割しないと売りにくくなり、分割するためには、道路に2m以上接することが必要ですから、整形のもののほうが分割しやすいためです。 日当たりなどを考えて方角も重要です。日本では南西向きの土地が好まれます。周辺環境も大切なポイントの一つです。周辺にパチンコ店などの遊技場、葬祭場、ごみ焼却施設、排煙や音の出る工場などがある不動産は敬遠されがちです。長く所有しても資産価値の向上はあまり見込めないでしょう。 また将来的な売却を見据えて、相続が発生する前にお隣さんの敷地との境界を確定しておくことが重要です。相続発生後ですと、相続人が意外と隣人を知らないといったケースが増えています。人間関係がある先代の間に境界を確定する、越境物など将来トラブルになりそうな事象を解決しておくことは、スムーズに相続するための親の務めともいえます。

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